環境対策はエネルギーシフト、石油経済の終焉 1
環境問題、特に温暖化ガスの排出削減が取り上げられない日はない。
昨日、平成19年8月16日(木)は史上最高気温を更新したという話と、株式市場込の世界連鎖暴落が各紙面を占めたようだ。
しかし、温暖化対策となると日本政府はお寒い。
参院選に惨敗した首相ができる道筋もないままに京都議定書の次の目標(ポスト京都議定書の目標)として二酸化炭素排出量半減などを海外で臆面もなく発表したり、来年の「洞爺湖サミット」でも売り込もうとしているが。
ところが、日本政府は本来手をつけなければならない技術開発による対応は後回しになり、とにかく京都議定書のクリアのために認められた対策ばかりに躍起となっている。
つまり、企業に排出量枠を押しつけ、排出権取引を導入するなどあの手この手の弥縫策の羅列である。
政策的には既存技術の延長の分野である省エネ対策の強化や車の燃費改善についても欧米追随の手しか打ってこなかった。
しかし、既存技術の延長では温暖化ガスの排出は止まらない。抵抗は避けられず、対策は根本的には進まない。
本来なら運輸、輸送部門の排出削減には公共機関の利用やバイモーダルなどの手段により、自動車の利用を減らすことが第一に考えなければならないはずだが、環境意識が高い欧州でのアンケートでも自動車の利用を減らす考えはないという人が多いという結果が出ている。
そんな中、バイオエタノール燃料が注目を浴びている。日本でも最近になって環境省が導入に積極的になっている。
しかしバイオエタノールには大きな問題がある。それは今の技術レベルではトウモロコシやサトウキビなどの食料、飼料として需要の大きいものから作るしかない事である。
日本のように倉庫に積み上がり続けバイオ燃料開発に対する予算の5倍以上の金を食って財政を圧迫し続けている外米を燃料にするならともかく、中国などの中進国の発展で需要が拡大し続けている飼料を使うために、バイオエタノールを増やせば食料費が上がるという悪循環に陥ってしまう。
それにもかかわらず、日本政府はバイオエタノールを普及するためにバイオエタノールを混合した混合ガソリンのガソリン税をバイオエタノール分だけ減税する検討に入っている。しかもそのバイオエタノールは輸入に頼れば食料価格高騰に荷担することになるにもかかわらず、輸入に頼るというのである。
本筋なら日本の国内で余剰なったり、自給できるものから作るのが責任であろうに。
如何にメンツを保つために達成不可能が分かっているにもかかわらずに無理矢理結んだ「京都議定書」の後始末に苦しんでいるとはいえ、その場しのぎの感が強い。
そんな中、8月3日には神戸大学で穀物の葉、茎など従来廃棄されていた材料からバイオエタノールを高効率で生産する技術を開発した、8月14日日経にバイオブタノールを成分とする「バイオディーゼル燃料」を雑草や木くず、稲わらなどから作り出す技術を地球環境産業技術研究機構が開発したという記事が出た。
これまで食料からエタノールを作り出す技術、廃ヤシ油、廃天ぷら油からブタノールを作り出す技術はあったが原料が限られていた。これをこれまで捨てられていたり邪魔者だった植物を原料にできるようにしたことで、バイオブタノールは3年後には工業生産に持って行けそうだということで、囲み記事ではあるが環境技術、エネルギー技術にとっては大きな意味を持つ。
更に、根本的な温暖化ガス対策としては発電所や製鉄所などで大量排出される排気ガス中のCO2 を回収して再利用可能な物質を作り出す技術などの開発も有望な手段となる。
つまり、既存技術の延長ではなく、新技術の開発と普及が温暖化対策には必要なのだ。
新技術の必要性の底流には「技術変遷」という側面もある。これについても追々、書いていくことにしたい。


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