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2008年2月15日 (金)

世界的不況到来の危機はまだ続く

日銀は生鮮食料品を除いたコア消費者物価指数というのが前年比でプラスになっているからデフレ脱却は近いなどと言い続けているが、「食料とエネルギーを除いたコアコア消費者物価指数」はマイナス。

2007年10-12月期国内総生産(GDP)速報のGDPデフレーターは前年同期比1.3%のマイナスで、これは前期よりマイナス幅が0.7%拡大している。原油高による輸入物価上昇を国内物価に十分に転嫁できない、つまり企業の採算悪化を示していると見られる。単位労働コストも前年同期比1.8%のマイナス。

マンション契約を見ても不動産経済研究所発表の2008年1月マンション市場動向で首都圏の契約率が52.7%、近畿圏が57.6%とひどい様になっている。これはバブル崩壊後の1991年8月以来の低水準という。これまで、マンション販売は「改正建築基準法」の影響で発売戸数が減ったのが問題だなどと言われてきたが販売戸数が減っているにもかかわらず契約率が強烈に落ち込んでいるというのはとうとうこれまでの住宅ミニバブルが日本でもはじけたことを示している。

つまり、石油と食料の世界的な市況上昇で、物価が上昇しているように見えているが、企業や消費者の手元に残る「付加価値」は依然マイナスという状況を示している。

2008年2月15日の日経は「米サブプライム問題波及の仕組み」という解説図を米国の景気対策法の成立解説コラムに載せているが、「金融商品」の世界だけの問題のような図になっている。金融商品だけの問題なら投資家だけの損失であり、世界各国政府が取り組む必要はない。問題は「米サブプライム問題」が、実体経済にどう波及するか、つまり世界不況の引き金になるかならないかという問題だという認識が欠けている。これについては「金融不安の高まりが個人消費の悪化」としか記述されていないし、記事本文にも「将来に不安を抱えた消費者が貯蓄に励む可能性が高いためだ」などと脳天気なことを書いている。

貯蓄に励むどころではない。金融機関はこれまでの野放図な貸し出しを絞る、住宅担保の自動車購入など米国の消費のからくり自体が逆転してしまう瀬戸際にあること。それは様々な製品分野に広がり、好調とされている企業業績が急速に落ち込み、それが、設備投資分野にまで広がる。それは今好調な欧州経済も他人事ではいられなくなる。

その兆候は日本でも出ている
日本工作機械工業会が発表した2008年1月の受超総額確報値が前年同期横ばい、輸出は29ヶ月ぶりのマイナスになった。アジア向けも北米向けも二桁前後のマイナス。欧州向けのみが好調という状況だ。
つまり、設備投資も減速する兆候だ。

不況になったら石油市況はある程度下落するが、金融商品と違い実需の裏付けがある石油では50ドル割れは望めない。
そうなると、原油高に苦しんでいる企業のコスト改善は限界が出る。
特に国内市況商品など価格転嫁力の弱い製品を持つ企業がそうだ。水産物は漁船の燃料費、遠洋漁業などは冷凍庫の発電も石油。コストがかさんでも魚価は市況次第。あがれば消費が減退して下落する。農産物もハウス栽培など全く同じ構造だ。蒸気を使う企業も同じ。クリーニング業、製紙業、挙げれば多々ある。付加価値は抑えられる。

1年以上前から「スタグフレーション」の可能性を指摘していたが、ここに来て現実の可能性として議論する人がぼちぼち出てきた。まだ、賛否両論だが、ようやく、スタグフレーションの危険性が認識されてきたようだ。

少しでも舵取りを間違えるとスタグフレーションは現実のものとなる。個人減税廃止にもかかわらず、金利上昇を狙っていたような日銀は総裁人事でニュースになっているが、新総裁が今のスタンスを継続するような馬鹿なら首がすげ変わっても危険は変わらない。

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