投機資金は規制する時代。未来への投資の時代。エネルギーを変える。
石油が下落してきている。この一月で20~30ドルの大幅な下落だ。その報道の傍らで余り大きく取り上げられないが穀物相場も上げ幅の3割から4割の下落だ。
石油相場下落の原因として景気の後退とか、石油需要の後退が言われる。しかし、穀物相場の下落には穀物需要の減退などは米国のバイオエタノールが採算割れで工場の操業が落ち込んだといった一部要因を除けば、食べなくなったといつた需要が大きく変変化する状況はない。
石油、穀物両相場を含めて考えれば下落の主因は投機資金が規制なども在って逃げ出し始めていることだと言って差し支えないだろう。
つまり、エコノミストが適当に理屈をつけて相場解説をしているが、投機資金が相場乱高下の悪役だということは明白。
今頃になって、石油も110ドル程度までの下落を言う解説者が出てきだしたが、前回のこのブログで私の言ったことの後追いに過ぎない。
今、本当に考えなくてはならないのは、投機資金をこのまま放置する事に意味があるのかということだ。
投機資金の役割は相場の安定に寄与するということというのが経済学の建前だが、混迷の者役となり、世界経済、特に金持ちを除いた普通の生活者を脅かすものになってしまっている。そんな投機資金はいらない。放任から規制に変わる潮目だ。
つまり、従来の経済学と経済の実態がかけ離れてしまっている時代に入ってきているのだ。米国流資本主義が正解ではなくなったのだ。
これまでの世界は石油経済の成長期にあった。しかし、現在の世界経済の基盤である石油経済は成熟しきり、終焉に入りつつある。ある時代の経済体制はその末期には金融などの実体経済とは異なるものが主体のような状況になるのが歴史の循環だ。
野放図に金融を自由主義の原則と言って放置して良い時代は過ぎ去った。これからは、金融もコントロールして、次の時代への準備に金が周り、円滑に経済基盤の移行が進むようにするときが来ている。
金利政策に頼るだけでなく、投機資金を規制することが金融政策としてはただしい時代に入ったことを認識する必要がある。
次の経済は何か。電気経済の時代だと予測する。多様なエネルギー源から電気エネルギーを経由して動いていく経済体制。それが次の時代だ。
なのに日本政府は目先の対策しか打たない。石油が上がってなんとかしろと言われれば対策として高速道路料金を下げる。金がなくなれば、タバコ税など取りやすいところから取って、埋蔵金には手をつけない。
次の社会の姿を描き、根本的に公共投資の方向を変える。そんな発想は官僚からは出てこない寂しい時代だ。間違いないのは石油エネルギーを基盤とした経済体制・社会体制に曲がり角がきているということだ。
経済の基盤はエネルギーだ。人間の歴史はエネルギーの変換とともに社会形態を変えてきた。
18世紀末から前々世紀にかけてのイギリスから起こった産業革命も薪炭から石炭へのエネルギー転換とともに進展した。
前世紀、といっても20世紀はそんなに離れたものという感じはしないが、この時のエネルギー革命は石炭から石油へのエネルギー転換に伴って進展した。
エネルギーが潤沢に提供されることによって、そのエネルギーを利用する産業が興り、産業を動かす物流も発達した。
そして、その時代が、依存するエネルギーに問題が出てきたとき、次のエネルギーへシフトしていった。その結果、社会の姿は一変するということを人類は繰り返しながら発展してきた。
薪炭から石炭へのシフトは蒸気機関という産業技術を支えるには薪炭ではカロリーが低いこと、それをカバーするには禿げ山が続出してしまうという環境破壊が引き起こされたことから急速に進んだ。
石炭から石油への変換は、輸送のしやすいという石油の特性とこれを利用する内燃機関、石油化学という新技術の親和性が高かったこと、更に、イギリスのスモッグに代表される粉塵等の大気汚染という環境破壊が問題化されたことから急速に進んだ。
同じ事が今起こっている。石油からエネルギーは変わる。産油国はもう次の時代を予測して、実体性のある投資を始めている。
日本はこのままでは負ける。
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